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【ブログ小説おすすめ】だいまろ乗船日記 蘇れ!大海原の異端児 (第5話)

まろはだいまろ。その昔、学生の時分。船乗り育成の学校に迷い込み、「乗船実習」と呼ばれる1ヶ月の航海に何度か出ていたそうな。在籍中に計3回駆り出されたわけだが、これはその記念すべき1回目!処女航海の1ヶ月の体験記である。規律というものを知らず、世間をなめていたボンクラ学生のだいまろが、海事社会の厳しさを目の当たりに・・・!雨の日も風の日も大波の日も書き続けた貴重な日記をリメイクし、今ここに蘇る。そんな淡い戯言をぜひ見てもらいたい。

※一部、海事関係者への愚痴とおぼしき表現がありますが、当時の日記をリアルに再現したものです。現在は敬意を持ち合わせていますので、ご容赦下さい。

 

 

21日目(9/15):爆釣

今日は乗船史上、一番の楽しさだった。午前中はロープの結び方の実習。巻きつけに結び付けにと楽々3時間をクリア。午後からは船長の講演だった。本当に船長は尊敬すべき人で、くだけて楽しい人でもあった。みんな眠かったにもかかわらず、引き込まれるように話を聞いていた。内容としても船に乗り込んで以来、最もためになる話であった。そして、その後は釣り大会!ひたすら大型のサバを釣り上げた。こんなに楽しくていいのだろうか。宮古のサバの生きの良さに惚れ込んでしまった。その後は、司厨長が釣り好きだったこともあり、包丁やまな板、調味料まで貸してもらってサバの煮付けを作った。久しぶりに料理までできて最高に楽しかった。それにしても、サバの旨さは規格外の別格であった。秋のサバは嫁に食わすなとは良く言ったものである。とにかく、楽しく一日を消化した。ここにきて、教官のマークも甘くなり、割と自由な生活を過ごしている気がする。今は苦しみというより、だるさの方が勝っている心境だ。とにかく時間が早く過ぎ去ること・・・。それだけを考えて、いかに楽しくやり過ごせるかをテーマに頑張りたい。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
この日の爆釣は今でも鮮明に覚えているなぁ。
この時期は、オフの時間の釣りに救われてたな。
サバは最高に旨かった~!

 

22日目(9/16):天国

何気なくいつも通りの朝を迎えた。メモリアルな一日になるとも知らずに…。今日は宮古で運動上陸があった。たまには陸上で運動しようというカリキュラムだ。しんどい任務を与えられたが何のその!とにかく、夕方からの釣りのためなら何だって苦にならなかった。帰船の前に、釣具屋に立寄ってさらに道具を補充した。ここはやはり釣り人!サバだけじゃ飽き足らず、今日はイカを本気で狙うつもりだ。頭の中はイカだけ。どうやって釣り上げるかの作戦と仕掛けをイメージする。だが、その前に再テストの嵐。それでも、2~3年ぶりの猛勉強で難なくクリア。まったく釣り吉の思いは何よりも強い!そしてスッキリと片づけていざ鎌倉。小雨が降り始め、気圧の低下が心配であったが、イカの反応はあったので一安心。ただ、そこからなかなか釣れない・・・。そんな中、隣で友人が大きなアジを釣って大興奮。うらやましい・・・、ただイカの1点狙いなのでめげずに竿を振り続けた。そして、その時が来た!太めの糸がズルズルとゆっくり吸い込まれていく。慌てて巻くと、これまで感じたことのないような重さ!そのままファイトを続け上がってきたのは、全長50cmの巨大イカ!その引き、その味に昇天。あろうことか、一生ここにいたいと思ってしまった。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
連日、釣り日記で申し訳ない。ただ、このイカは最高だったな!
その後も立て続けに何杯か釣って、みんなでイカ刺しパーティ★
本当に楽しい記憶だな。

 

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23日目(9/17):余裕

昨日はもっともっと鮮明に釣りのことを書きたかったが、一日一ページのお約束と、これ以上釣り方面でマニアックになることを避けるため、ほどほどにしておいた。それにしても、釣って捌いて料理にした後、船の仲間たちがおいしいと言ってくれるのが何より嬉しかった。主婦の気持ちが少しは分かった気がする。しかし、ここにきてこの船は確実に緩くなってきている。何の風の吹きまわしか、今までなら確実に怒鳴られて手が出ていたことも、冗談めかしで見逃してくれる始末。その豹変ぶりは目を見張るものがある。仕事自体も楽になった気がする、これは慣れもあるのだろうが。とはいっても、陸の皆からすれば大変な状況には変わりないが、ゆとりを持って生活する余裕を手に入れた。もう本当の意味で怖いものなんて何もない!下船まであと4日。耐え抜いて、人間に戻るんだ!とにかく今はそれしか頭にない。こうしている今も、確実に船はゴール地点の東京へと近づいている。まろが今すべきこと・・・。それはいかに楽して、最後は笑って下船するかである。廻り道はしない、最短コースを突き進むのみ!それだけをモットーに、残りの囚人生活にピリオードを打ちたい。そう祈りつつ、時間潰しの睡眠に入る・・・。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
ようやく終わりが見えてきた乗船実習。
余裕が出てきたと言えど、ツライ日々はまだ続く。
それにしても、時間潰しの睡眠ってイイ表現だ。

 

24日目(9/18):思考

とうとう船は東京湾へとやってきた。右にはディズニーランド、左には横浜の街が見える。ここまできた・・・。曲がりなりにもまろは、強引に強調して船の秩序を大きく乱すことなくやってきた。他の誰がどう言おうとも頑張ったのだ。人生には避けて通ることができない苦難の道があるというが、その一つの山を間違いなく乗り越えようとしている。まろはこうして日記を毎日綴りながらも必死で耐えてきた。そんな長いトンネルもようやく光が見えてきたのだ。もう船内は下船モードで皆ハイテンションである。きっと仲間たちも同じ心境なのだろう。テスト関係も無事に終了し、仕事も概ね終わった感がある。先ほど、この日記を読み返していたが、乗船した日が1年も前のことのように思えた。本当に長い道のりであった。ただ、そんな乗船も、自身にとって間違いなくプラスになったこともあるはずだ。とにかく、戦友という深い絆で結ばれた友情が大きな財産である。そして、なんでも耐え抜く根性と自信もついたと思う。もうこの乗船のまとめっぽくなってしまったが、下船を意識すると同時に、こんなことも考えているのだ。あと3日・・・。また人間に戻って陸上で暮らせる日も近い。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
確かにもう、まとめっぽくなってしまったな。
でもね、本当に色々と考えさせられたよ。
振り返ると良い経験だったな。

 

25日目(9/19):憎悪

東京湾から東京港に入り、本当に仕事が終わった。しかし最後の仕事にして、最後の怒りを爆発させてしまった。思いのほか時間もかかり、気性の荒い教官がワケの分からんことで怒鳴り散らしてくる。ここ最近なかったのだが、最後に理不尽さを前面に出してきた。そのケンカ腰しの態度に暴言を吐きそうになったが、今まで積み重ねてきた事、もうすぐ下船出来る事がまろに歯止めを効かせた。しかも、部屋の窓を開けっ放しにしていて、ケータイが水浸しに!本当に最悪な日だった。ただ幸いなことに、ケータイは無事でそれどころか壊れていたバイブ機能が直ってしまった。とりあえず、少し機嫌を良くしたところで次は大掃除。そのチェックがまた馬鹿げていた。シーツのしわ一つあるだけでやり直し、しかも点検にきた教官は、懐中電灯を頭の横からかざして真剣な眼差しでほこりと汚れを探す。その滑稽な姿には、呆れて笑いすら失った…。最後の最後にして、最近少し忘れていたナンセンスさを痛感してしまった。ともあれ、明後日に下船を控え、テンションが上がっているのは間違いない。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
あの掃除の点検だけは、本当にすごかったなぁ。
身の回りの乱れは心の乱れと言いたいことは分かるが、
あれは異常だった。

 

26日目(9/20):前夜

終わりを迎えつつある今日は、東京で上陸して自由行動であった。こっそり私服に着替えて、一日早い人間生活。原宿~渋谷間で思う存分遊んだ。変な視線を浴びることなく、堂々と街を歩く…。どれほど有り難いことか!ハンバーガーが涙を誘うほど美味かった。まろは一体どれだけ可愛そうな立場だったのか。それも明日の午前中ですべてが終わる。すべてが終わる・・・。この囚人生活にやっとピリオードが打てる。今のまろは色々な心情が入り乱れている。友人たちとの生活だけをピックアップすれば、いささか寂しささえある。これまで、元の生活に戻ることだけを夢見て生きてきた。耐えたまろの勝ちだ!そんな楽しい今日、実は渋谷で最高の恥を知った。それは、ダイソーでお風呂用のスリッパを買って、船内の上履きとして履いていたのだが、ホームレスのおばあちゃんとお揃いだったのだ・・・。まろだって海の囚人だったが、陸ではああなのか。スリッパを脱ぎ棄て、早く元の自分に戻れることを祈る。 つづく
★だいまろ★
★だいまろ★
勿体ぶらないで、この日に下船したかったな。
完全に消化試合の日だった。
ともあれ、とうとう明日が下船の日だ!

 

27日目(9/21):釈放

まさかこの日が来ることになるとは…。長すぎた。一ヵ月という懲役が与えられ、まろは船に乗り込んだ。苦しみと怒りに満ちた日々…。とうとう終止符が打たれ、ごく普通の大学生として今こうして揺れない机で最後の日記を綴っている。毎日かかさず書いてきたように、まろは常に新境地を見てきた。しかし、今思うと自身が得たものは本当に大きいと思う。まずは友情。先日も記したとおり、共同生活の中で生まれる友情は大きかった。支え合い、助け合いながら生きていくことを覚えた。普段から協調性に欠けていたまろは、友人と極限の環境に教えてもらった。何でも耐え抜く自信もついたし、プラス要因がなくもなかったわけである。しかし、あの日々は思い出であってほしい・・・。とにかく今は、元の生活に戻るためのリハビリに入ろうと思う。地に足がつき、時間に縛られない自由を味わっている今、色々なことに感謝の気持ちでいっぱいである。最後に船長がカッコよく残した格言がある。「タフでなければ生きてゆけない。人に優しくできない者は生きる資格がない。」まったくこのことを学んだのだろう…。船と海に一ヵ月分の敬礼を済まし、まろは人間へと戻った。 完
★だいまろ★
★だいまろ★
みなさん、最後まで読んでくれてありがとうです!
本当に貴重な体験だったな。ボンクラ学生にとっては、
苦難だらけのいばらの道だったけど、成長できたな。
本当にありがとうございました。

 

最後に

お読み頂き、どうもありがとうございました。その後、船乗りになることはありませんでしたが、まろは商船業界に一部関係のある仕事に就きました。当時乗船した実習船からメンテナンス部品のオーダーを請けたこともあり、切っても切れない関係なんだなと痛感した記憶があります。かなり愚痴や下げずむ表現が多く申し訳なく思っていますが、まぁあの状況での実習生はそんなもんです。(笑)そして、感謝や成長を感じられるのは得てして時が経ってから。でもきっと、それで良いんだと思います。厳しく理不尽なのもすべては、厳しい船律や船乗りの心構えをたたき込むためであり、必要不可欠な教育であったと思います。まろは本当に今更ながら、ありがとうと言いたい!そして、未来の船乗り達に頑張れと言いたい!関係なくもない職場から、今後の商船業界の発展を心から祈っています。 by.だいまろ

 

だいまろの淡い戯言

だいまろはだいまろ。その昔、学生の時分。船乗り育成の学校に迷い込み、「乗船実習」と呼ばれる1ヶ月の航海に何度か出ていたそ…

だいまろの淡い戯言

まろはだいまろ。その昔、学生の時分。船乗り育成の学校に迷い込み、「乗船実習」と呼ばれる1ヶ月の航海に何度か出ていたそうな…

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