ぼくはいつも不思議に思うことがあります。プレゼン能力やコミュニケーション能力ばかりがクローズアップされて、文章力が軽視されていること。先に結論を言いますが、ビジネスにおいて文章力が最も重要なスキルだとぼくは信じています。そして今回お話する内容は、完全オリジナルネタのため、ピンとこない方には参考にならないかもしれません。ただ、間違いなく必要なスキルです。
すべてのスキルの根源が文章力であり、発信の原点だと言えます。そして、その書く力から生まれる文字の持つ魔力こそが、仕事をうまく進める最大の武器だと思っています。
よく耳にするのが、「文才ないからな・・・」とか「書くの苦手だからな・・・」という諦めのフレーズです。これは本当に勿体ないですよ!小説やポエムを書くならともかく、ビジネス文章においては、意識と訓練で間違いなく上達します!だから、一刻も早く苦手意識を克服し、この最大の武器を使いこなしましょう。
もくじ
ビジネス文書の種類は?
ぼくは、ビジネス文章を大きく2つに分けられると考えています。
〇連絡、報告用の文章
〇依頼、調整用の文章
それぞれ文章の特性と役割が異なりますので、切り離して訓練しなければいけません。そして、シチュエーションに応じて使い分けられるようになればベストです。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
連絡、報告用の文章とは?
日報や議事録、連絡文書などに用いる文章です。いわゆる、報告業務ですね。相手が求めるタイミングに、要求された情報を分かりやすく伝える必要があります。このため、求められるものはスピーディーさと正確さと簡潔さです。
よく個人の主観や考えを盛り込む人がいますが、それは不要です。事実に即して、淡々と情報をまとめる作業です。どちらかと言えば、形式だった無機質な文章だと言えます。
この文章は、書き方とコツさえ実践で掴んでしまえば上達します。否応なしにデイリーで書かされるので、自然と身についていくはずです。そして、書くことが苦手という方もテンプレート化することによって、考えることなく作業としてこなすことが可能です。
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調整、依頼用の文章とは?
便宜上、「依頼・調整用」と書きましたが、報告系の文章以外はすべてこちらに属すると定義します。先ほどとの決定的な違いは、相手に自分の意志や考えを伝えて動いてもらうということです。どう書けば相手に伝わり、動いてもらえるのか?アナログ力が試される、考える文章なのです。
メインのツールと言えば、やはりメールでしょう。デイリー業務の中で、社内外問わずたくさんやり取りをしていると思います。もはや、最も使用するコミュニケーション手段といっても過言ではありません。だからこそ、メールを書くという能力は非常に重要になってきます。
よく思うのですが、感情のないメールや相手を考えないメールを打つ人があまりにも多すぎます。単なる作業になって、考えることのない文章になっていませんか?断言します。メールの書き方を変えるだけで仕事がスムーズに進みます。そして、周りのあなたへの評価も変わり、信頼関係も強化されることでしょう。
文字の持つ魔力とは?
では、実際どのような文章を書くかですが、基本的には自由に書いてください。ベースは今まで通りで構いません。「なんだよ、それ~。」という声が聞こえてきそうですが、文章にもそれぞれ少なからず個性が現れます。それをマニュアルに沿って矯正してしまっては、意味がありません。
文字の持つ魔力を発動させるためには、個々の文章にスパイスをちりばめるのです。それだけで、相手の印象は大きく変わり、仕事を優位に進めることができます。それでは、このスパイスの一部を紹介します。仕事の効率化に即効性のあるものを厳選しました。ただ、どのように使うかはあなた次第。最終的には自分で考えるということを忘れないでください。ちなみにぼくは、メールを書くときに一番頭を使いますね。
(1)依頼の場合は、必ず期限(希望納期)をいれる。
回答はいつほしいのか?相手も忙しい中、頼みっぱなしは黙殺されます。緊急性のある場合は、文中に2回は「厳守」を謳いすりこみましょう。そして、何より大事なのが「短納期ですみません、でも助けてほしい」という趣旨の一言を必ず入れてください。頼られて嫌な気をする人はいません。意外とこれがないメールが多いです。こんなメールなら、あなたでなくロボットでもいいわけです。
(2)こうする!したい!と決めたことは、聞かずに宣言する。
どうしたら良いか迷ってて聞くのなら分かりますが、自身の中で方向性が決まっているのに「~してよろしいでしょうか?」と書く人が多すぎます。このように聞かれると、人は突っ込みを入れたくなるもので、仕事を自らややこしくするようなものです。こんな場合は、「~しますので、ご承知置きください。」と宣言する形でしめてください。その方向性が大きく逸れていれば指摘を受けるでしょうが、圧倒的に突っ込みは激減します。また、宣言することによってあなた自身を守るエビデンスとなるでしょう。
(3)社内メールで「不明点等があれば連絡下さい。」は多用厳禁。
みな、文章の落ち着きが良いので使いたがりますが、社内メールでの多用は厳禁です。というのも(2)項と同じく、人の心理的に突っ込みを助長させるためです。本当に必要であれば、そんなことを書かなくても指摘があります。余計なコメントを受けないようにしましょう。なお、社外への発信では、マナー上必要になることが多いので注意してください。
(4)敢えて口語体で強調する。
これがまさに文字の魔力、スパイスです。同じことを伝えるにしても、表現によって相手の受け取り方は変わります。ビジネスメールに口語体はNGだからこそ、敢えてそのギャップを狙うのです。いい意味で文中で浮き上がり個性が生まれ、そしてうまく状態や感情を伝えることができます。「何とか(どうにか)~」「~ですかね…。」「もう~です。」「~ですよね?」「ホントに」・・・たくさんスパイスはあります。あなたが一番伝えたいところ、感情移入したいところにピンポイントで挿れてみてください。たった数文字のことで、相手の受け取り方は次第に変わってきます。どこかあなたに親近感を持たせる効果もあります。これは本当です。ただし、相手との関係性や立場もあると思いますので、よく考えて使ってみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?ビジネス文章は「連絡、報告用の文章」と「依頼、調整用の文章」に大別でき、前者は淡々と求められた情報をまとめる作業、後者は自分の意志や考えを伝えて動いてもらうものでしたね。
また、文字の持つ魔力を発動させるスパイスを一部紹介させてもらいました。まだまだテクニックはあるので、別の機会に解説していこうと思います。とにかく、考えて文章を書く習慣を身につけましょう。どうやったら伝わって動いてもらえるのか?習得すれば、間違いなく仕事がスムーズに進みますし、周囲のあなたへの評価も変わってくると思います。少しずつで良いので、意識して文章を書くようにしましょう~。